第30章

家に入ってきたばかりの九条遥は、浦崎正からの電話を受けた。

九条遥は羽川初美に目配せをし、羽川初美はすぐに理解して、九条恋を連れて部屋の中へ遊びに行った。「もしもし、浦崎秘書、何かありますか?」

「二ノ宮様が今すぐ別荘に来て待つようにとおっしゃっていました。彼はすぐに戻って九条さんに会うそうです」

二ノ宮涼介が今この時間に彼女を呼び出すのは何のためだろう?

そうか、彼女は今彼の愛人なのだ。他に何の用があるというのだろう?

「わかりました、今すぐ向かいます」

電話を切った後、九条遥は部屋の中へ向かった。「恋ちゃん、おばちゃんとちゃんと遊んでね。ママは今から仕事に行くから、たぶん明日...

ログインして続きを読む